高血圧とはどんな状態なのか?
正常値よりも血圧が慢性的に高い状態です
血圧とは、健康診断などで測る「145mmHg/95mmHg」といった数値のことです。血圧を測った際、もし最高血圧が140を超えているようなら、「高血圧」の可能性があります。
高血圧が長期間続くと、動脈硬化を引き起こし、心筋梗塞、狭心症、脳梗塞、脳出血などの病気を招きます。高血圧の恐ろしさは、これらの高血圧合併症にあるのです。
血圧が気になる方へ
高血圧には2つのタイプがあります
高血圧は、原因によって大きく次の2つのタイプに分けられます。
本態性高血圧
生活習慣の乱れ、特に塩分の過剰摂取によって起こる高血圧です。高血圧の人のほとんどがこれにあてはまります。
二次性高血圧
腎臓病やホルモンの異常など、特定の病気が原因で起こる高血圧です。
血圧測定で何がわかるのか?
血圧測定は、循環器系の検査のベースになります。特に、高血圧は動脈硬化に伴って起こる脳卒中や心臓病の重要な危険因子となるため、血圧はこれらの病気を予防する上で重要な指針になります。
また、血圧の高低を調べるだけでなく心臓の収縮力を調べたり、血流の状態をチェックしたりと、様々な診断に役立て、さらには血圧降下剤の効き目を測定したりと、高血圧を治療している人の経過観察にも力を発揮します。
高血圧の目安
血圧は、心臓が収縮する時に最も高くなり、これを「収縮期血圧(最高血圧)」と言います。心臓が拡張する時に最も低くなり、これを「拡張期血圧(最低血圧:上の血圧)」と言います。収縮期血圧が140mmHg以上、または拡張期血圧が90mmHg以上あることを、高血圧といいます。日本高血圧学会が2009年に定めた血圧の判定基準では、最高血圧140mmHg以上、最低血圧90mmHg以上で高血圧と診断され、さらに次のように分類しています。
血圧の判定基準(単位:mmHg)
※左の数値は収縮期血圧(最高血圧)を、右の数値は拡張期血圧(最小血圧)を表しています
・至適血圧…120かつ80未満
・正常血圧…130かつ85未満
・正常高値血圧…130~139または85~89
・I度高血圧…140~159または90~99
・Ⅱ度症高血圧…160~179または100~109
・Ⅲ度高血圧…180以上または110以上
・収縮期高血圧…140以上かつ90未満
検査結果の判定
高血圧の程度は上記のようにI~Ⅲ度によって3段階に分けられ、重症度に比例して心臓病や脳血管障害のリスクも高くなります。以前は軽症、中高症、重症に分けられていましたが、「軽症ならたいしたことないな」と考えて治療を受けない人が多かったため、現在の表示に変更されました。最小血圧が90mmHg未満でも、最高血圧が140mmHg以上なら収縮期高血圧という異常値に分類されます。
高血圧になりやすいのはどんな人?
こんな方はご注意ください
次のような方は高血圧になりやすいです。高血圧を予防するために、お早めに大阪市東成区のえびすクリニックまでご相談ください。
- ご家族に高血圧の方がいる
- 味の濃い食事が好き
- 野菜や果物をあまり食べない
- 肥満
- 運動不足
- お酒をよく飲む
- 煙草を吸う
- ストレスがたまっている
- 血糖値が高い
- 肉の脂身や揚げ物など、脂っこい食べ物が好き
など
自覚症状がありません
高血圧には、自覚症状がありません。ですが、重症になると次のような症状が現れることがあります。異変に気づいたら、すぐに大阪市東成区のえびすクリニックまでご連絡ください。
- 動悸がする
- 胸が痛む
- 呼吸困難
- 手足がむくみ
- 手足がしびれる
など
高血圧を放っておくとどうなる?
動脈硬化が起こって心筋梗塞・脳梗塞などを招きます
高血圧で最も問題なのが、動脈硬化を引き起こすことです。動脈硬化とは、血管が弾力を失ったり、血管の内腔が狭くなったりする状態を言います。
高血圧が続くと、血液の圧力に耐えるために、動脈の血管壁が厚くなり、血液が流れる内腔は狭くなります。また、血管が傷つくと、コレステロールなどの脂質がたまりやすくなり、さらに内腔は狭くなります。そうすると、血液の流れる抵抗が増え、血圧はますます上昇します。
つまり、「高血圧→動脈硬化→高血圧→動脈硬化→高血圧」という悪循環が、さらなる動脈硬化を促進するのです。
動脈硬化になると血液が流れにくくなるため、心臓に負担がかかり、徐々に肥大して(心臓肥大症)やがては心不全となります。さらに心筋梗塞、狭心症、脳梗塞、脳出血などの合併症を招きます。自覚症状がないまま、ある日突然、こうした命に関わる病気を引き起こすことから、高血圧は「サイレントキラー」と呼ばれています。
高血圧ではどんな治療を行うのか?
高血圧の治療の目的
原因となる病気がある二次性高血圧が疑われる場合は、心電図、心エコー、胸部X線撮影、血液検査、眼底検査、尿検査などで詳しく調べて診断をつけ、その病気を治療することが必要です。
高血圧は脳梗塞や心筋梗塞の最も重要な危険因子の1つです。高血圧の状態が長く続くと、血管に高い圧力がかかったままになって血管壁がもろくなり、様々な障害が生じてきます。これらの発症には、高血圧以外では喫煙、糖尿病、脂質代謝異常、肥満、既にかかっている高血圧に基づく脳・心臓・腎臓などの疾患が深く関係しています。したがって、検査で高血圧と判定されたら、血圧を下げることが重要です。喫煙や過度のストレス、運動不足、飲酒などの生活習慣を見直します。
生活習慣を改善しても目標とする血圧にならない方、軽症でも他に動脈硬化のリスクとなる病気を持つ方、中等症、重症の高血圧の方は、医師の指示の下に降圧薬を服用して血圧をコントロールします。
異常な場合に疑われる病気
■高血圧
本態性高血圧、二次性高血圧(腎臓病、脳血管障害、大動脈縮窄症、甲状腺機能亢進症、クッシング症候群、褐色細胞腫、睡眠時無呼吸症候群)など
■低血圧
自律神経失調症、貧血、下痢、内分泌異常など
血圧を下げる方法
食事療法
高血圧の食事療法のポイントは、減塩です。そのほか、カロリーを少なくしたり、野菜や果物を積極的に摂ったりすることも大事です。
運動療法
適切な運動を行うことで、血圧が下げられます。また、肥満解消に繋がり、血液中の悪玉コレステロールや中性脂肪を減少させる効果も期待できます。
薬物療法
食事療法や運動療法だけで十分血圧が下がらない場合には、降圧薬を使って血圧を下げます。降圧薬には様々な種類があり、患者様の状態に応じて組み合わせて処方します。
えびすクリニックの高血圧の治療
患者様の「モチベーション維持」を大事にしています
高血圧に自覚症状はありません。そのため、月1回など、定期的に通院するのにモチベーションが続かないこともあります。若い方ほど、モチベーションが持たない傾向にあります。ですが、通院が途切れて血圧が上がり、慌ててお薬をもらってまた血圧を下げる…ということを繰り返していると、血管に負担がかかります。当クリニックでは、患者様に「自覚症状はなくても、合併症は起こる可能性はある」と詳しくお話しするなどして、モチベーション維持をはかっています。
腎臓の血管でも動脈硬化が起こります
高血圧になると、腎臓の血管でも動脈硬化が起こり、血液が流れにくくなります。すると、腎臓に必要な血液が行き渡らなくなり、腎臓の働きが悪くなるのです。これを「腎硬化症」と言います。
ほとんどの場合、自覚症状はありませんが、尿検査で尿タンパクが出ていると腎硬化症に進行してる疑いがあります。そのため、当クリニックでは、血圧が高い時に尿タンパクが出ていないかどうか注意して診ています。